診療だより

   夏号  「 熱中症とその予防について 」

瀧田医院分院  平成20年8月発信


 今年の夏は暑いですね。今回は、この暑い夏におこりやすい「熱中症」について述べてみたいと思います。さまざまな手段で情報を得ることができますが、このお便りも皆様のお役にたつことができれば、幸いと思います。

  熱中症とは

 熱に中(あた)るという意味で、からだの内と外の暑さによっておこる、さまざまな体の不調のことを熱中症といいます。今回は特に高齢者の方の脱水症状について述べてみたいと思います。

  高齢者の特徴

  特に高齢者の方は症状が現れにくく、のどの渇きやいつもと体調が違うなど、正確に訴えることができないことも考えられます。1日に必要な水分摂取量は、成人で通常食事中の水分も含め2500〜3000mIが望ましいとされています。
からだの水分が不足すると、さまざまな症状があらわれます。
 口の渇き、めまい、ふらつき、尿量や唾液の分泌低下、皮膚の乾燥、悪化すると意識障害(反応の鈍い状態から重いと意識がなくなる)などがでてきます。
 本人が訴えられない場合は、まわりの人がよく観察をして異常の早期発見と、早期の処置を行うことが大切です。
(但し、いろいろな病気が潜んでいることも考えられるので、様子がいつもと違う場合は、いずれにせよ医療機関を受診されることをお勧めします。)

  予防など対策

@環境を整える 室内にいる場合は、自然の風が入る工夫や、状況や気温によっては扇風機やクーラーを利用しその人にあった快適な室温を保つように心掛けましょう。
戸外では、日中の暑い時間帯は外出を避けましょう。
A水分補給 最も基本的なことですが脱水予防のため、こまめに少しずつ水分飲用されることをお勧めします。 自分で飲める方はペットボトルなど準備し、手の届くところに置いておくと良いかと思います。
高齢の方の中には、「トイレが近くなるから水分を控えている」という方が時々みえます。
しかし、体の水分が不足すると脳梗塞や心筋梗塞などおこしやすくなりますのでご注意ください。特に入浴後はしっかり水分補給してください。
B塩分補給 汗には塩分が含まれています。特に汗をかいた場合は、塩分や電解質の補給が大切です。
又、高齢の方は、尿からの塩分排出も多いので高血圧などで控える必要がなければ、適度な塩分の補給が大切です。
スポーツドリンクもお勧めですが、当院ではそれよりも脱水症状に効果的なOS−1という飲料水をお勧めしています。
水、電解質補給のため経口補水液を飲用することにより、輸液と同じくらいの効果が期待できます。
C規則正しい生活 睡眠をしっかりとり、栄養にも気をつけバランスの良い食事を摂取しましょう。
規則正しい生活を送ることで体調も崩れず、ある程度の抵抗力も維持できるでしょう。

 ◆ OS−1とは ◆

 電解質と糖質のバランスを考慮した経口補水液です。
 軽度から中等度の脱水状態の方の水、電解質補給、維持するのに適した飲料水です。液体と飲みやすいゼリータイプもあります。
 お子様から高齢の方までどなたにも適した食品です。(お子様も発熱、嘔吐、下痢などの症状がある場合、脱水改善に最適です。)

 詳しくは分院受付 TEL36−2111へお尋ね下さい