診療だより

「 骨粗鬆症について 」

瀧田医院分院  9月発信


 1. 骨粗鬆症とは
骨がスカスカになってもろくなる病気です。歳をとったり、若い人でもカルシウムが不足しているとおこります。骨も新陳代謝を繰り返しています。絶えず、骨の組織は破壊され、新しく形成されています。このバランスがくずれ、破壊が上回ってしまうと骨粗鬆症になります。症状として、(@)背が丸く、腰が曲がってくる。(A)背丈が縮んでくる。(B)背中や腰が痛くなる。(C)ちょっとしたことで骨折するようになる。などがあげられます。

 2.近年、骨粗鬆症が注目される理由
医学の進歩によって、簡素で正確な検査方法が普及してきたことに加え、高齢化社会が進んで、老後の健康への関心が高まったことも影響していると考えられます。

 3.毎日の暮らしの中でできる骨粗鬆症の予防について
基本は、(1)食事 (2)運動 (3)日光浴 (4)安全な生活環境などです。

(1)食事について 
カルシウムは、骨の健康維持に欠かせません。1日600mg摂取し、偏りのないバランスのとれた食事摂取を心がけましょう。ビタミンDも大切な栄養素です。これは、カルシウムの吸収を助ける働きがあります。



当院でも管理栄養士が、皆さんのご相談に応じています。食事療法・栄養などについて詳しくお話が聞けますので、ぜひ栄養相談を受けられることをお勧めします。(予約制です)

(2)運動について 
骨の形成や維持には、骨への適度な圧力を与えることが大切です。この適度な圧力が、下記に示す体操や運動などです。毎日、規則正しく行うように心掛け、続けていきましょう。
毎日続けよう!簡単体操 誰にでもできる健康ウォーキング
背中が曲がってこないようにするため、背筋を伸ばす体操を日課にしましょう。それぞれの体操は、自分に合った無理のない回数を行います。

よつんばい腹筋・背筋運動
よつんばいに、なって背中の押し上げと押し下げを、ゆっくり行う。

よつんばい背筋運動
よつんばいになって、ゆっくりと背中を伸ばし、腰を後ろに引くようにする。

足上げ運動
仰向けに寝て両ひざを曲げ、片方ずつひざを伸ばしながら足全体を上げる。左右交互にゆっくりと行う。

腰上げ腹筋運動
仰向けに寝て腰を軽く持ち上げ、臀部を浮かせて数秒間静止する。
当院のリハビリテーション科では、骨粗鬆症からくる痛みに対して、電気治療・温罨法などの消炎鎮痛処置で対応しています。ぜひ、ご相談ください。
(3)日光浴について 
皮下脂肪には、カルシウムの体内への吸収率を高めるビタミンDのもととなるプロビタミンDが含まれています。日光(紫外線)を適度に浴びるとプロビタミンDはビタミンDになります。骨の健康の為に日光浴が欠かせないのはこの為です。夏は木陰で30分、冬はやわらかい日差しのもと1時間程度がめやすです。

(4)安全な生活環境について 
どんなに食事でカルシウムの摂取に注意していても、健康な骨が維持できるかどうかは、生活習慣、環境などによって違ってきます。下記に示す環境づくりを心掛けましょう。
転倒・骨折を防ぐ安全な生活環境
当院でも骨粗鬆症の検査ができます。手のレントゲン写真をとると、全身の骨の状態がわかります。結果が出るまで3〜4日かかりますが、予約なしですぐできます。お気軽にご相談ください。