診療だより

瀧田医院分院  5月発信


 診療科名は、医療法・医療施行令で決められており、どの診療科を標榜するかは、各医療機関自らが得意と思っている科名を自らの意志で役所に申請すれば良いのです。尚、小児科はありますが、老人(老年)科はありません。小児と同様、老人も病気による影響や薬に対する反応が成人と違います。老人(老年)科も早急に診療科目に加えるべきです。
 次に、リハビリテ−ション科に触れます。「リ」は再び、「ハビリテ−ション」は適合するを意味します。即ち、もう一度能力を回復して社会生活に適合するということです。疼痛緩和が主目的ではありません。関係する科は、整形外科・内科・小児科・精神科等があります。但し、病気そのものが対象では無く、障害が対象になります。治療の段階に急性期・回復期そして維持期があります。急性期・回復期は大・中規模の医療機関で、維持期は小規模の医療機関で主に管理をします。内容には、筋機能の改善・筋力の増強・疼痛の緩和等の基本的動作能力の回復を図る理学療法、手芸等を通じて身体機能改善を行う作業療法そして言語障害や摂食・嚥下障害の回復を図る言語聴覚療法があります。本来、これら、特に理学療法と作業療法は連携して行われるべきことです。しかし、現行の医療保険下では、理学療法と異なり作業療法と言語聴覚療法は設置基準が厳しくて小規模な医療機関ではこれらが認知されず、従って、リハビリテ−ションを連携して行えません。制度の変更をすべきです。最近、地域リハビリテ−ションという言葉がよく使われます。住み慣れた所で、そこに住む人々と共に、一生安全に生き生きとした生活が送れるように、リハビリテ−ションをするということです。地域リハビリテ−ションを担っている医療機関は主に小規模です。
 タキタデイプラザ内の瀧田医院分院にリハビリテ−ション科を設けたのは、維持期の患者に地域リハビリテ−ションをする為です。尚、同施設内のタキタシニアプラザでのデイサ−ビスやショ−トステイの利用者にもリハビリテ−ションをすることが必要なことがあります。介護保険下でも機能訓練のサ−ビスはありますが、機能訓練をきめ細かくする為には、医療保険下でのリハビリテ−ションをすることも重要と考えています。