治療院たより      H20年9月発信

●未病とは?

最近、「未病」ということばをときどき耳にするようになってきました。

病とは、まだ病気にはなっていないがどことなく調子が悪くて、健康であるともいえない状態のことを言います。


しかし、東洋医学的な発想では、2000年以上も前から、特に目立った症状がなくても、元気がない、活力が出ない、などの症状は、すでに病気に向かっている状態である、と考えられていました。

はっきりと病気であるとはいえないけれど、そのままにしておくとそのうちに病気に移行するかもしれない、この、病気ではないけれど健康でもない「未病」のうちに体をケアするには、鍼灸マッサージがお役に立ちます。

現代人の生活は、精神的あるいは身体的に、日々いろいろなストレスにさらされています。そうすると、身体の疲労からはもちろんのこと、精神的な緊張からも、体のあちこちの筋肉が緊張してきます。

このままの状態で放っておくと、さらなるストレスによりいよいよ筋肉の緊張が高まり、血液循環が滞り、血行障害により痛みやしびれなどいろいろな症状がでてきます。

このようになる前に、鍼灸マッサージで筋肉の緊張を改善すると、血行もよくなり、心身ともにリラックスでき、ストレス解消になります。

また、現代医学では証明されていませんが、東洋医学的な考え方では、人間の体においては経絡という、気の流れるルートが全身を巡っていて、この経絡を気が滞りなく循環している状態が健康であり、何らかの原因でこの気の流れがうまくいかなくなると、だんだん体が不調になり(=未病)、やがては病気という状態に移行していくのだ、としています。

そして、仮に未病の状態であっても、全身の主なツボの状態を調べて、異常をおこしている経絡に見当をつけ、鍼灸を施して経絡の気の流れを整えてやることにより、体を未病から健康に向かわせることができるのだとされています。

頭痛、肩こり、腰痛といった症状がすでに出ている場合にはもちろんですが、未病の段階で早めに対処し、病気を未然に防ぐために、いろいろなつらい症状が出る前に、健康増進・体調管理等、普段からの体のケアに鍼灸マッサージを利用されてはいかがでしょうか。