治療院たより      H19年8月発信

●鍼・灸は肩こり・腰痛にどうして効くの?
治療院に来院される方の訴えで特に多いものは肩こり・腰痛です。

同じ姿勢が長時間続いたり、筋肉を使いすぎたりして筋肉が緊張すると固くなって筋肉内の血管が圧迫され、その部分の血行が悪くなります。
その結果、筋肉内に酸素が不足し、老廃物が溜まりやすくなり、溜まった老廃物が疲労や痛みを引き起こします。
そうして生じた「痛み」の情報が脳に伝えられ、脳から筋肉に「緊張しろ!」という指示が出されます。
すると、すでに緊張して痛みを発している筋肉がこの指示を受けて、さらに緊張します。
その結果、筋肉内の血管はさらに圧迫され、血液循環が滞り、疲労物質・発痛物質がさらに溜まって痛みが強くなっていきます。
このように、痛む→緊張する→痛む→緊張するという悪循環が起こり、肩こり・腰痛が生じます。
これを治療するには、この悪循環のもとになっている筋肉の緊張を緩和してやることが大切です。
血行を促進し筋肉の緊張を緩和するためには、鍼や灸を施すことが良い治療法です。

皆さん、トゲが刺さった経験があると思います。
トゲが刺さるとその周りの皮膚が赤くなりますが、これは周囲の血管が拡張して血液がそこへ送り込まれたからです。
これは、身体に侵入した異物に対処するための体の生理反応です。
この反応を利用して、鍼や灸をこっている部分に施すと、その部分の血行が促進されて筋肉のこりが緩みます。
この理由以外では、鍼や灸の効果の理由は未だ分かっていないことが多々あります。

あん摩・マッサージも効果があります。
こっている部分だけを相手にするのでなく、周辺の首、背中、臀部〜脚などのこっている部分から離れた部分を揉みほぐしていくと、こっている部分だけを揉むより効果があります。
いずれか一つでも効果はありますが、あん摩・マッサージで全身を揉みほぐし、その後、特に触っていて固いところや深部のこりに対して鍼・灸もおこなうと、より高い効果が望めます。