平成16年
1月発信



冬号ではリスクマネジメントについてお話しします。
 昨年12月タキタデイプラザにおいて、タキタシニアプラザのデイサービス・ショートステイ(ヘルパー)、居宅介護支援(ケアマネ)、瀧田医院分院(看護師)、タキタキッズプラザ(保育士)、及び全体に関係する事務職員で、それぞれの研修報告を兼ねて、リスクマネジメントの勉強会を行いました。その内、老人介護についてまとめてみました。

1. リスクマネジメントとは

「保険や安全対策、さらには経営戦略などを活用して事業の偶発的あるいは人為的な損失(リスク)を発生しないようにし、もしリスクが発生した場合には、それ最小化し、さらに実現したリスクに適切に対処する経営管理の方法」(高梨智弘『リスク・マネジメント入門』日経文庫)
要するに、介護が必要なご老人が事故無く過ごせるように対応するということです。

 ○ 事故前の予防対策と事故後の管理対策の双方が重要。
 ○ 100%の予防は不可能。100%予防は別な重大問題を発生させる。
 ○ 「限りなく100%に近い予防」への取り組みが必要。


2. 介護事故の種類
(1)転倒
(2)ベッドからの転落
(3)介助中の事故によるあざ・出血・やけど等
(4)原因不明およびその他の骨折・あざ・出血等
(5)誤嚥
(6)異食
(7)薬の誤配
(8)無断外出
(9)入居者同士のトラブル
(10)物の破損・紛失
(11)移送サービスに伴う骨折・死亡
(12)疥癬やMRSAの感染と蔓延
(13)その他

3. 防止策のポイント
(1) 介護保険は契約制度で成り立っている為、利用者本人の自己決定権と事業者の安全配慮義務が相反する立場に立った場合の対応の難しさ。
(2) ヒヤリハット体験がどんどん上がってくる風通しの良い職場作りの大切さ。

 勉強会を終えて、今まで以上に責任を持って「老人介護の専門家」としてやるべきことをやって行くという事の大切さを感じた勉強会でした。





これまで行った主な勉強会


○ 救急時の対応
○ 感染症
○ 摂食・嚥下障害
○ 経管栄養
○ 在宅酸素療法
○ 老人の移乗動作
○ 作業療法
○ 救急蘇生法
○ 痴呆
○ パーキンソン病