タキタデイプラザも9月で重要な節目の3年目を迎えた。
この機会に脳の研究の第一人者である久保田先生をお迎えして、脳に関係する講演をお願いした。
当施設は、子どもから老人まで、医療から福祉まで対象とし、種々の職種のスタッフがいるので、下記の演題名になった。

「脳の発達から老化まで−最近の脳研究の成果から、やさしく」

  久保田 競(きそう)先生
     日本福祉大学教授
     京都大学名誉教授(元京都大学霊長類研究所所長)
     著書『ランニングと脳』『0〜2才能力と意欲を伸ばす育児法』など

講演の概要

・ 脳は生まれた時から既に学習できる能力を持っているし、又、発達して行く。
・ 「脳の細胞は再生しない。」ということは、間違いであることが分かった。
・ 脳の何処がどう働くか、分かって来た。特に、記憶に関係する状況が分かって来た。
・ アルツハイマ−病や脳卒中の対策も少しずつ分かって来た。
  →頭や体を使うこと。

この講演後、スタッフより質問を募り、久保田先生より回答を頂きました。
その中からシニアプラザに関するものをピックアップしました。

 <Q>走ること以外に痴呆が防げるか。
 <A>歩くことでも効果はあろうが、確かめられていない。

 <Q>猿、あるいはその他の動物にも痴呆はあるか。
 <A>あります。

 <Q>最低1回のジョギングで、どれ程走ると痴呆に効果があるか。
 <A>分かりません。調べられていません。

 <Q>痴呆の患者のシナップスはどうなっているか。
 <A>減っています。白質の変性が起こります。(leucoaraiosis)

 <Q>痴呆の患者と脳細胞数との関係は。
 <A>高度の時は死んでいますが、普通は変わっていません。